今回はアルバム全体を通じてコンセプトやメッセージ性が表現され、曲と曲との間がシームレスにつながっているアルバムをご紹介します。これらはいずれも一枚のアルバムが全体を通じて練り上げられていて、ドラマの展開のように心を動かされる秀逸なものが多いです。
ピンクフロイド3部作
・狂気(The Dark Side of the Moon)
あらゆる音楽を通じて完成度という意味では最高のものだと思います。発売は1973年ですが、私が聞いていた80年代でもまだビルボードのチャート100に入ってました。良いものは時代を超えますね。実際ロングセラーアルバムのギネス記録とのことです。
アルバムの最初から最後まで全曲がつながっていますが、当時はレコードだったためA面とB面の区切りである「虚空のスキャット」と「マネー」の間だけは、いったん途切れています。
一度その世界観に浸ると引き込まれてしまい、CDが擦り切れるんじゃないかというほど、何回も何回も繰り返し聞いていました。特に「虚空のスキャット」の女性ボーカルのスキャットや、「マネー」の分厚いギターソロのあたりは本当によく聴きました。
あとエンジニアとしてアラン・パーソンズがクレジットされています。随所に現れる効果音を担当された模様。この人は後で紹介するビートルズのアビーロードにもアシスタントエンジニアとして名を連ねています。
・ザ・ウォール(The Wall)
こちらもピンクフロイドの不朽の名作です。
「The Dark Side Of The Moon」同様このアルバムでもコンセプトの主人公に「狂気」の人となってしまった元バンドメンバーのシド・バレットの姿も重ねられていると言われています。
デビッド・ギルモアのロック史上に残るギターソロを含む「Comfortably Numb」はよく知られています。
・炎〜あなたがここにいてほしい(Wish You Were Here)
1975年のアルバム。サングラスをかけた男は火で燃えているのに、もう一人の男と握手をしているというジャケットが印象的。タイトルトラックのWish You Were Hereでは、デイビッドギルモアのギターのシンプルながら味わいの深いイントロソロが大好きです。
ギルモアのストラトキャスターのサウンドは独特で、分厚い音ですが哀愁があります。このサウンドを出すためにいろいろと工夫や改造がされているそうです。(ピックアップやその他改造、オーバードライブ、ファズ、コンプレッサー、ディレイ組み合わせ等々)
ギターオークションで世界最高額をたたき出したのが、ギルモアの「ブラックストラト」で2019年の「397万5000ドル(約4億2千万円)」で落札されたとのことです。ヒエー!
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その他
1.Beatles アビーロード(Abby Road)
後半(B面)のYou Never Give Me Your Moneyから始まる連なっていく曲進行は抒情的な感じです。1969年リリース。エンジニアにアランパーソンズが参加してますので、彼は後にピンクフロイドの作品をエンジニアリングしていますので、その布石となったのかもしれません。
2.Styx パラダイスシアター(Paradise Theatre)
シカゴに存在したシアターのオープンからクローズまでのフィクションとして描いた作品で、華々しい時期から衰退していく様がドラマティックな楽曲でつづられています。
3.アレクサンダーオニール:Hearsay
パーティを題材に展開するコンセプトアルバムで、おしゃれなサウンドの曲が連続しています。プロデューサーは当時飛ぶ鳥を落とす勢いの、ジャム&ルイス(ジミー・ジャムとテリー・ルイス)です。「Fake」や「The Lover」をはじめダンサブルなヒット曲が多く入っています。
以上、今回は私の好きなコンセプトアルバムの紹介でした。